■ 47.「群像の少女性11」

LastUpdate:2009/06/15 初出:YURI-sis

「じゃあ、脱がすわね」

 

 霊夢の言葉に、萃香はコクンと頷いて応える。
 座り込んでいる萃香の腰や肩に霊夢の両手がそれぞれ触れてきて、軽い力を込められると萃香の躰はお布団の上に押し倒されてしまう。力こそ強大ではあっても、抗うようなことをしなければ所詮体躯に見合う体重しかない萃香の躰は、霊夢の力でも扱いに困るものではない。
 お布団の上に横にされると、スカートの留め具が外されて急に躰が緩められた感覚があった。ずりずりとお布団の下側から萃香のスカートが引っ張られ、やがて抜き取られてしまうと、もう萃香が身につけていられるものはドロワーズひとつだけになってしまう。

 

「こっちもいい?」
「くどいよ、霊夢……」
「……そうね、ごめんなさい」

 

 そんな風に『くどい』だなんて言ってしまうのは、ちょっと冷たい物言いかもしれないとは思ったのだけれど。でも、いいって言わなくても、萃香の心と躰には十分な決意ができているのだから。
 これから裸にされて……萃香の躰に霊夢が触れようとする時にも、いちいち霊夢が許可を求めたりせずに私の躰を好きにできるように。故意に萃香は、少しだけ冷たい言葉を選んで霊夢を突き放す。
 どんなに優しい指先と甘い恋情から愛されるのだとしても、きっと性愛の側面には必ず暴力的な面が潜んでいるように思えた。霊夢が指先でもって、これから萃香の躰を高ぶらせて絶頂に追い込むのは、ともすれば相手を屈服させる行為にも似ているのかもしれないから。
 だったら――霊夢が遠慮せずに、私の躰を蹂躙してくれるほうがいいと。
 萃香自身そう思うし、そうされたいと願う心もあるから。

 

「っ、ぁ……」

 

 我慢しようと思っていたのに、ちょっとだけ声が漏れてしまう。
 ドロワーズがずり下ろされて秘所が露わになったことで、萃香のそこに冷たい新鮮な空気が触れてきてしまって。いつしか、少なからず潤いを帯びてしまっているそこに空気が触れると、ひんやりとした感触が萃香の躰に襲いかかって来るみたいで。
 痛みなら幾らでも我慢できる自信があるけれど、この感覚には抗いようがないのだ。