■ 54.「群像の少女性19」

LastUpdate:2009/06/23 初出:YURI-sis

「ごめんなさいね。気が、削がれちゃったかしら?」
「……あ、こっちこそごめん」

 

 霊夢に指摘されて思わず萃香はハッとする。確かに霊夢に言われたとおり、胸元の痣に気を取られてすっかり萃香の煩悩は振り払われてしまっていた。
(――いけないいけない)
 少し痛々しい痣があっても、そこに霊夢の乳房があることは紛れもない事実で。萃香はそっと霊夢の胸元に自分の唇を近づける。萃香よりは余程マシでも、やっぱり然程の膨らみもない霊夢の乳房に何度もキスの雨を降らせていく。唇で突くようなバードキスのあと、痣とはまた違った鮮やかな薄紅に染まる乳首を、静かに唇で挟むように噛んでみせた。

 

「まるで子供みたいね」
「……う」

 

 くすくすと、霊夢に笑われては立つ瀬もない。言い返す言葉も思いつかずに、せめてもの反抗に萃香はより強く吸い付くような唇で霊夢の乳首を求めていく。
 ――子供と言われるのなら、その通りに子供でも構わない。いっそ乳飲み子と割り切れば、霊夢の乳を求める欲望の儘にもっと素直に求められるのかもしれないから。

 

「んっ……」

 

 霊夢から零れ出る小さな喘ぎ。擽ったいのか、それとも少なからず気持ちよさのようなものを感じてくれているのだろうか。後者だったら嬉しいなあと萃香は静かに想う。
 胸元の突起と萃香の唇との間に、幾重もの粘質の銀糸が伝う。求める都度により執拗な唇で、萃香は霊夢の乳房を求めていく。晒し木綿の痕は早くも殆ど見えないぐらいに薄くなり始めているけれど、綺麗になった霊夢の素肌に萃香は強く吸うように乳房を求めて、そこに新たなキスマークの痣を幾つでも刻んでいく。