■ 63.「群像の少女性28」

LastUpdate:2009/07/02 初出:YURI-sis

(……温かい、な)

 改めて感じる、霊夢の素肌の体温。それはとても温かくて、触れるだけで慰撫される何かが伝わってくるような気がした。萃香の目の前に、惜しげもなくその裸体を晒してくれている霊夢の躰。そのどこに触れても伝わってくるのは惜しみない温かさばかりで、伝搬する熱が萃香の躰と心を心地よいもので満たしていくみたいだ。
 特に、霊夢がきっと萃香以外の誰にも触れることを許しはしない場所。両脚の付け根にある潤いに満ちた場所は、どこよりも深い熱を触れる萃香の手のひらに訴えかけてくるようにも感じられる。酷く熱い粘質の何かが触れる萃香の指先に纏わりついてくる。淫らな感触と芳香を湛えたその液体を指先で掬って自身の口腔で舐ってみる。するとたちまち恐ろしいぐらいに濃縮された霊夢の味が脳症を痺れさせるような感覚があって、あまりに甘いその味わいにくらっとするような目眩さえもあった。

 

「汚いから……」
「汚くなんて無いよ。……直接舐めてもいい?」

 

 萃香がそう問い返すと、霊夢は盛大に嫌そうな顔を浮かべてみせた。
 霊夢の躰から生まれた愛液を、汚いだなんて萃香は微塵も思わない。それでも……きっと霊夢に同じコトをされたら、萃香も同じような反応をしてしまうだろうから。有りの儘に表情として顕れる霊夢の嫌悪は、判らないでもない。

 

「やめなさい」
「どうしても舐めたいんだ。駄目かな?」
「………………ううっ。す、好きにすれば」

 

 萃香が強く望めば霊夢にはそれを拒むことができない。卑怯な望み方だとは判っているけれど、それでも霊夢から了承の言葉を引き出せるなら狡いことだってできてしまう。

 

「……口を濯がずにキスしようとしたら、ぶん殴ってやるから」
「う、それは考えてなかったなあ」

 

 霊夢にキスできなくなるのかと思うと、少しだけ躊躇を覚えないではないけれど。
 それでも淫らな香気に導かれる儘に、霊夢の秘所へ萃香は顔を近づけていく。