■ 135.「斯く熱めく - 22」

LastUpdate:2009/09/12 初出:YURI-sis

「はっ……」

 

 不意に触れられた感触。空の閉じている両脚の付け根へ、押し入るように及んできたさとり様の指先に、一瞬びくっと空は躰を硬くさせる。
 けれど先程さとり様の大事な場所へ空も触れたのだから、さとり様が望まれるのであればそれを空だけが拒むのは不平等というものだ。躰を硬くさせた緊張はまだ空の中から抜け落ちてはくれないけれど、精一杯の努力で両脚を開いて受け入れる心を伝えようとする。

 

「ふぅ、ん……! ぅ、はぁ、っ……!」

 

 態度から空の意を察して下さったのか、それとも空の心を直接に読み取られたのか。然程の間も置かず空の脚の付け根に及んでくるさとり様の指先があって、空はただその擽ったさに必死に耐える。直接の刺激なんてまだ殆ど投与されていない筈なのに、既に出来上がったように敏感になり過ぎているそこは、些細な愛撫であっても激しい感覚を生み出して空の脳髄をぐらぐらと揺らしてくる。
 擽ったさはあるけれど、それ以上に……やっぱり気持ちよくて。陰唇を撫でる程度の愛撫であっても夥しい快楽が生み出されては溢れて、ともすればそれだけでも達してしまいそうなぐらいだ。

 

「空も、濡れているのですね」
「……そう、みたいですね」

 

 さとり様に触れられて初めて、小さくない滑り気を帯びた指先の感覚で夥しい程に自分の秘所が濡れそぼっていることが判る。多少の不快感はあったから、もしかしたらとは思っていたけれど。――やっぱり、愛する人と特別な時間を過ごすということは、それだけでも性感を著しく刺激するものであるのだろうか。