■ 47.「群像の少女性12」
「はぅ、っ……」
やがて冷たい霊夢の指先が萃香のそこに触れてくると、それだけでじんと甘い痺れが萃香の脳を揺らしてくる感覚があった。軽く触られただけでもこんな風に感じられてしまうようでは、これから霊夢に愛されてしまう課程で私はどうなってしまうのだろう。――それを考えるのは少しだけ怖くて、けれどとても魅力的なことのように萃香には思えた。
「萃香のここ、熱い、ね……」
「……霊夢の指は、ちょっとだけ冷たいや」
「ふふ、少しだけ我慢してね。すぐに萃香の熱で、きっと熱くなるから」
確かめるような指先から変わって、霊夢の指先が求めるかのような執拗さで萃香の秘所を弄り始めると、萃香は息をすることさえ困難になっていく。下手に呼吸をしてしまえば、その隙に喘ぎ声が喉から漏れ出てしまいそうで。裸をこうして見られていながらも、快楽の儘に喘ぐ姿を霊夢に見られるのはまだ恥ずかしいように思えてならないのだ。
「声、我慢したりしないで。萃香の声を、聞かせて欲しいから」
「うう……」
けれどそうした萃香の努力も、霊夢のたった一言が総てを打ち消してしまう。
(……霊夢って、やっぱり狡いや)
萃香は心の中で、ちょっとだけ愛する人に悪態を吐いてみせる。だって、愛する霊夢からそう言われてしまったら、萃香は……どんなに恥ずかしいとしても、その望みを叶えないではいられないから。
「……ぁ、んぁ、っ」
始めは静かな喘ぎから我慢できなくなってきて。
「ぁああ、っ! ふぁ……あ、ぁああ、く、あぁっ……!」
やがては、霊夢の与えてくれる総ての刺激に、萃香は正直な喘ぎを上げずにはいられなくなる。
死にたいぐらいに恥ずかしすぎて、もう霊夢の顔を直視する事なんてできない。けれど揺れる躰の中、逸らした視線の中でも、ふとした瞬間に萃香は霊夢の表情を見つめてしまったりもする。
瞬間に捉えられる霊夢の表情は、嬉しそうに緩められていて。
霊夢が喜んでくれるなら、恥ずかしくってもいいか――なんて。
そんな風にさえ思ってしまう私は、やっぱり病気なのかもしれなかった。