■ 66.「群像の少女性31」
「……ふぁあんっ!」
舌だけの愛撫には限界があるから。萃香が指先を直接霊夢の秘部に宛がうと、その刺激に霊夢の躰は一際強く震えて応えてくる。指先で撫でるように優しく、時には爪弾くように少しだけ激しく。幾度も霊夢の秘所を弄ぶと、その総ての刺激に霊夢は翻弄され、淫らな喘ぎを上げてくれる。
指先に感じる夥しい量の粘液は、本来の蜜液と萃香の唾液が入り交じりすぎてどちらなのかわからない。実際、おそらくはその両方が入り交じっているのだろう。霊夢の一番大事な場所で、霊夢と萃香の互いの分泌物が攪拌されて入り交じっている。――そんなことにさえ少なからず嬉しさを感じてしまうのは、もう末期的な考え方なのかもしれないけれど。
「あ、ああああっ! ……だ、だめ、ぇっ!」
舌先での愛撫によってもう十分に高められていた霊夢の躰は、急に強まった指先による直接的な刺激で簡単に追い詰められていく。どんどん激しくなる愛撫、絶え間なく分泌される蜜の存在を感じる指先。まだ口の中にはさっき覚えた霊夢の味が残っているようで、少しだけ惜しい気持ちになりながら萃香はそれを思い出す。こんなに激しく乱れている霊夢の蜜を味わうことができないのは少しだけ淋しいことでもあるけれど。代わりにこうして萃香に躰の全部を委ねてくれて、こんなにも全身で萃香のことだけを感じてくれている霊夢の姿や表情を余すところ無く見つめることができるのは、それに代わるだけの深い喜びを萃香に感じさせてくれていた。
「――んあぁああああっ!!」
激しく揺れる躰、張り詰める声。
瞳の端に涙さえ浮かべて、霊夢はこんなにも萃香に総てを許してくれて。
理性の箍を振り切って、気をやってくれた霊夢のことが。萃香にはどんなにも、本当に……どんなにもただ愛しすぎてならなかった。